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2023年6月

2023年6月26日 (月)

2023年7月19日(水)例会開催案内

2023年719()例会は、歴史紀行作家・永冨明郎氏からテーマ

『<佐久間象山>=「世界の中の日本」を示した男』についてご発表いただきます。 

     テーマ   『<佐久間象山>=「世界の中の日本」を示した男』

     日程    2023719()

     時間    1830分~20時

     会費    1500

     会場    東京文化会館・中会議室1

 

20238月は夏休み休会です。

2023年6月例会開催結果

2023年6月は、会場の都合で14(水・第二週)に山本紀久雄から「九代目市川団十郎と山岡鉄舟 後編」を発表いたしました。

 九代目団十郎が31歳の時、明治維新が到来。明治政府は「都(すべ)テ事実ニ反ス可ラス」と指示。九代目は「すべての拵えをその時代を調べた」舞台で展開した。

これが「活歴もの」であるが、見物客は「故実を正し」た「今までの芝居において見ることがなかった新式」であったため、「事実」として受けとめるどころか、「絶対否認」という拒否反応を示した。

結果として歌舞伎座の経営状態は「団十郎で損をして菊五郎で埋める」という実態、九代目は貧乏のどん底に陥った。

この状態時に「壮士芝居」が新たに登場。明治278月に日清戦争が勃発したことを受け、「壮士芝居」は浅草座で『壮絶快絶日清戦争』と題打って幕を開け「近来歌舞伎にても其例無き数十日間大入り」となった。

対抗すべく歌舞伎も急遽、『海陸連勝日章旗』を舞台にしたが、これが不評。理由は、士官や兵士・水夫といった同時代の者たちが、前代の武士や大名が用いる言葉を交わすという時代錯誤な世界の舞台演出で、見物客が強烈な違和感を覚え、これを拒否したことで、興行的大失敗に終わった。

だが、『海陸連勝日章旗』の中幕、『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』は、團菊の顔合わせで、九代目は、又平の「画にのみ精神を傾け尽せる」一途な思いが奇跡を生み、土佐の苗字を授かるという「酔えるが如き」舞台を展開、戦争一色に塗り込められた社会の喧騒、そこから解き放たれる心境を見物客に与えることができた。

この結果、歌舞伎は壮士芝居という相手を得て、ここから本来の役者の芸をはじめとする様式性を守り通す道を選ぶことになった。

つまり、見物客が求めているのは「旧来の芝居」であり、それがもつ江戸的な趣向の内に、「一種の趣味」があることを九代目は再認識し、「活歴もの」はやめるという、自ら方針を転換させ、役者の芸をはじめとする舞台面の様式性を守り通す道を、57歳になって、ようやく選択するにいたったのである。

その際の選択判断基準は、鉄舟が「駿府談判」で展開した「立場の転換」であった。激しい談判交渉の中で、鉄舟の立場を、西郷の立場に置き換え、「義」に訴え、相手に考えさせる、という見事な交渉術の発揮である。

鉄舟邸に出入りしていた九代目、鉄舟がこの「立場の転換」を展開したことをよく理解しており、自らの舞台を「客の立場」に転換させるという変化を採り入れたのであった。

このような自らの変化を通じ、九代目は明治30(1897)60歳ごろになると

富裕者として築地の邸宅も豪勢になり、明治33(1900)に神奈川県茅ケ崎に狐松庵(土地6000)別荘をつくり、更に日本銀行に5万円に及ぶ預金を持つ身分になったのである。

 九代目の生き方変身、それは「立場の転換」にあったわけで、現代にも通じる「生き方」セオリーとして、我々が鉄舟研究から学ぶポイントであろう。

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