2022年12月21日(水)は、森真沙子先生からご講演いただきました。
テーマは「満天の星__維新の時代の漂流者たち」、幕末から明治へ。
そこは人間ドラマの渦だった。歴史の波に乗って表舞台へ躍り出ていく英傑たち、乗り損なって流れ星のごとく消えていく人々、時代に入れられず漂流する者たち。漂流しつつ、そこに独自の生を刻んで時代を越えていった人々・・・。
そんな心惹かれる漂流者たちを、『柳橋ものがたり』8〜9巻の中から「「間違えられた男・山田浅右衛門」、「時代をドロップアウトした旗本・松廼屋露八」、「海棠(かいどう)花咲くころ・雲井龍雄」、「熱血英国人医師の光芒と暗転・ウイリアム・ウイリス」をとりあげ、昨年12月と同様に、森先生の講演・解説に続き、潮見佳世乃さんの迫力あふれた語り朗読、井田ゆき子さんの臨場感あるパワーポイント画面で展開されました。
森先生は『柳橋ものがたり』を9巻まで刊行、一巻あたり5から6名の歴史上人物を取り上げられましたので50名以上を物語化していますが、まだまだ「面白い人物が多くいる」と発言されます。
したがって、読者の関心事は物語の主人公「綾」の動向に向かうはず。
「綾」は、船宿「篠屋」に住み込み女中として働く魅力的な女性で、彼女が歴史上の人物と、どのように関わって、持ち前の気転と才覚で、解決または新たなる方向性を見出し、未来の「綾像」をどうやって創りあげていくのか・・・。
つまり、「人物と事件と綾の組み合わせ」、ここが『柳橋ものがたり』の最大の見せ場であり、読者を唸らせるところではないでしょうか。
例会会場で販売しました『柳橋ものがたり』8巻と9巻は完売いたしました。
まだお読みになっていない方へご推奨申し上げます。
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