2021年12月例会開催結果
2021年12月22日(水)は森真沙子先生からご発表いただきました。
タイトルは『幕末維新のデッドゾーンを生きた人々』です。
維新の混乱の中を、普通の人々は何を考え、どう生きたのか。
ゾーンの中にも日常生活があったわけで、そうした明暗を『柳橋ものがたり⑦・春告げ鳥』第一話から第五話まで、いずれも歴史史実を解き明かし、そこに創意工夫を入れ交え、しっとりとした筆つかいによって、江戸に生きる人々を描き、読者を引きずり込むお手並みは「お見事」の一言です。
7巻にまで『柳橋ものがたり』連載が成されている理由がよくわかります。
今回の例会では、森チームが新しい趣向を演出して例会を盛り上げてくれました。
それは森先生の講演に、定例の井田ゆき子さんのパワーポイント、そこに今回は潮見佳世乃さんによる『柳橋ものがたり』の朗読が加わりました。
井田さんのパワーポイントは、『柳橋ものがたり』を深く読み、分析したのでしょう。各話で展開する場面について、地域の特性と歴史背景、さらにこの地の史蹟と地図などを分かりやすく表現し、加えて、画面の反転技術を駆使された結果、鮮やかに「森真沙子の絵巻世界」を演出してくれました。
潮見さんの朗読にも驚きでした。第三話の「生人形の足」で登場し、160頁~164頁と182頁~184頁の”澤村田之助”を語ったのですが、いつもお聞きしている「歌物語」の美声ではありません。マイクの前でほんの数秒、息を止めたかと思うと顔相が転成変身、田之助が憑依したのか、成りきり誦しだした姿に、皆さんが息を止めて見入りました。さすがに語りのアーティスト潮見さん、「森真沙子の妄想空間」に膨らみと臨場感をいや増ししてくれました。
まだお読みでない方、『柳橋ものがたり⑦・春告げ鳥』を推薦申し上げます。
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