山本紀久雄の出版
山岡鉄舟研究会会長の山本紀久雄が、2021年12月末に株式会社ベストブックから以下を出版いたしました。
『江戸無血開城、通説を覆す 一枚の絵に隠された”謎”を読み解く』 定価1650円(税込み)
上記書籍のポイントは以下の通りであります。
- 明治神宮外苑の聖徳記念絵画館に『江戸開城談判』壁画が掲示されています。
これは慶応4年3月14日の西郷隆盛と勝海舟による「談判」によって、江戸無血開城が成されたのだと、結城素明が描き、一般的に広く理
解され、中学生の教科書にも掲載されております。
しかし、『明治神宮叢書 第十八巻 資料編(2)』に、海舟の三女の夫・目賀田種太郎による『目賀田男爵談話筆記』が掲載され、同筆記の
中で「勝海舟が談判はなかった」と発言した旨が明記されております。
この海舟発言を受け入れるならば3月14日は「談判」ではなく、「会見」であったわけです。
「談判」によって江戸無血開城が成され、壁画タイトルも「談判」とされた背景には、明治35年に発刊された吉本襄著の合冊本『氷川清話』
が存在していることを本書で解説いたしております。
- 結城素明が描いた『江戸開城談判』壁画では、勝海舟の大刀が左脇に位置されております。
これは武士の刀作法ではあり得ない描き方であり、壁画作成の準備段階で描かれた「下絵」と「画題考証図」では大刀が右脇位置に描かれて
います。
しかし、結城素明は大刀を左脇に変更し描いたのですが、その背景には、やはり明治35年に発刊された吉本襄著の合冊本『氷川清話』が存
在していることを本書で解説いたしております。
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