2019年10月例会開催結果
2019年10月17日(木)の例会は斉藤剛氏から「尊皇思想の系譜」についてご発表いただきました。
斉藤氏から事前にご連絡いただいた内容は
「山岡鉄舟は勤王の武士であった。幕末、欧米列強が日本の周辺に現れるようになった時、尊皇の志士たちは危機感を強め、『尊王攘夷』をスローガンとして幕府を倒しました。天皇を敬うという意味では「尊皇」ですが、スローガンは「尊王」です。そこで、このスローガンの元となった尊皇思想がどのような系譜により創られたかを明らかにすることとする」でありました。
このご案内通り「尊皇思想の系譜」について、「尊皇」思想が発した始まりから、長い歴史スパンの中で、次から次へと論争と論議を繰り広げられたプロセスを的確かつ詳細に述べられ、最終的に「尊王攘夷」にたどりつくまでを明確に解き明かされました。
斉藤氏の見事な歴史考察と論理展開内容を、この報告紙面でまとめとしてお伝えすることは困難であります。
そこで、齋藤氏の例会時の項目をご紹介することでご了承いただきたいと思います。
「尊皇思想の系譜」
- 古事記・日本書紀における尊皇思想
- 仏教の受容(仏教を信仰する人は、同時に尊皇心も抱く)
- 慈円の『愚管抄』に見る尊皇思想
- 北畠親房の『神皇正統記』に見る尊皇思想
- 江戸時代初期の尊皇思想
- 国学者・本居宣長(尊皇思想が結晶する『古事記伝』を著す)
- 江戸時代後期の尊皇思想(「勤王論」の台頭と「尊王攘夷」の発現)
- (*カッコ内は事務局が補足)
10月22日(火)に執り行われました天皇陛下の「即位の礼」というタイミングに、斉藤氏の深い研究成果をご発表いただきましたこと、誠に素晴らしく、重ねて厚く御礼申し上げます。
« 神にならなかった鉄舟・・・その二 | トップページ | 2019年11月例会 »
コメント