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2015年2月25日 (水)

2015年2月18日(水)例会開催結果

2015年2月18日(水)例会開催結果
 

2月は跡見学園・山崎一穎(かずひで)理事長から「乃木殉死の影響――森鴎外を例として」を講演いただきました。(山崎氏は鴎外が専門で2002年『森鴎外・歴史文学研究』でやまなし文学賞受賞)

 講演は36ページにわたる資料に基づき、明治天皇崩御(1912年7月30日)と、乃木希典夫妻の自刃(1912年9月13日午後八時、大葬の日)の乃木遺書の解説から始められました。
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 乃木の遺書は、9月16日午後4時、小笠原長生子爵によって公表されたが、当局が新聞記者に発表する際、上記の傍線部に紙が貼られ、目隠しされていた。
乃木の意志が、世襲とされていた爵位や家督など、当時の華族制度に対して否定的なものだったためであるが、その後国民新聞が号外で全文をスクープした。
 乃木の殉死に関わる鴎外日記、明治45年から大正元年(1913)には、次のように記述されている。

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この日記の最終行に「十八日、午後乃木大将希典の葬を送りて青山斎場に至る、興津弥五右衛門を艸(そう)して中央公論に寄す」と記されているように、鴎外は9月13日に乃木殉死を知り、18日に中央公論社に原稿を渡しているように、まさに「興津弥五右衛門の遺書」は怱々(そうそう)(あわただしい)の間に執筆されている。

また、乃木の殉死は鴎外が歴史小説を書く端緒となったと述べられ、大正元年10月1日発行の「中央公論・第廿七年第十號」に掲載された以下の「興津弥五右衛門の遺書」目次ページを掲示し解説されました。

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 鴎外と乃木との交わりは、明治20年(1887)4月18日ベルリンで会ったときから始まっており、この時鴎外25歳、乃木38歳であった。
 乃木は、生涯四度も休職しており、軍人より詩人肌であり、鴎外は軍医とはいえ、文人であり、小倉へ転勤させられた経験もある両者は、一脈通ずるところがあったとも述べられました。

 乃木は「うつ志(し)世を神さりましゝ大君のみあと志(し)たひて我はゆくなり」の辞世歌を残しましたが、乃木の精神のあり方、それは死語になっていた「殉死」という形をもって処決したこと、それに鴎外は激しく揺さぶられ、鴎外はそこに古武士精神の輝きを見た、と山崎理事長は強調されました。

乃木の古武士精神=武士道精神は鉄舟も同様で、二人を明治天皇が理解し、受け入れ、ご対応された背景であり、鉄舟と乃木の共通点であると山崎理事長のお話から、改めて判断いたしました。

 さらに、山崎理事長は夏目漱石と鴎外の文学アプローチの違い、続いて、「興津弥五右衛門の遺書」の初稿と定稿の違い、最後に「阿部一族」について、その事件の実相、使用した資料「阿部茶事談」の性格、小説の構成、殉死の掟・様態、組織における人間関係と政治力学にも触れられました。

 まことに緻密な論理構成と、歴史認識に基づく講演でありまして、さすがと感じ入った次第ですが、この内容を皆さんにお伝えするのは至難の業であります。そこで、是非、山崎理事長の資料に基づきご理解されることをお薦めいたします。

 山崎理事長の資料をご希望の方は、事務局の矢澤昌敏氏宛にメールかFAXで、ご住所明記の上お申し込み願います。
メール m_yaza10@eos.ocn.ne.jp
FAX  0480-58-5732

最後に講演後の懇親会の状況を報告いたします。
定例になっている上野駅舎上の文化亭での懇親会、参加した当会の論客が様々な観点から山崎理事長へのお尋ねに対し、過去事実を上下左右正面場面ごとに論じ、かつ、時間軸前後、つまり歴史軸の時空間を立体的に構成された見事なる解説に、参加者一同魅了・圧倒され、楽しく有意義な時間を過ごせました。

山崎理事長に厚く御礼申し上げます。
なお、山崎理事長には、機会を改めて再度ご登場願いたいとお願いする次第でございます。

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